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有松鳴海絞りには、400 年もの間に、100 種を超える技法がうまれました。
もともと絞りでは、5-6工程ぐらいの分業を経て1枚の反物ができます。株式会社スズサンの4代目である村瀬裕も先代同様に、その工程の最初である「絵刷り、型彫り」を担ってきました。
町の庄屋さんから来年の浴衣のお題をいただき、下絵を描いて、そこからポンチで線に沿って穴を開け、型紙が出来上がったらその柄を真っ白の布の上に刷毛で刷る。そこまでが仕事で、次の職人さんたちへ渡す、というのが仕事です。
そのため、株式会社スズサンには村瀬裕作を含め代々の職人が作った型紙が多く残っています。繊細、おおらか、時に挑発的で、モチーフも様々。潔いもの、ウイットに富んだものもあり、時代を超えて単純にかっこいいと思えるものも多く、よくこういう柄を考えたものだと先人たちの発想力・デザイン力に改めて関心することもしばしばです。

有松鳴海絞りは、世界でも類を見ない技法の多さで、その難易度もさまざま。
Studio Suzusanでは、お子様から大人まで気軽に楽しんでいただけるワークショップ(絞り体験)をご用意しています。

1年を通してご案内しているワークショップは、2種類です;
1)初級コース(布を畳んで作る雪花絞り/スーパーボールや輪ゴムを使った創作的な絞り)
2)縫う括るという伝統的な技法を学べる本格的な絞りコース
いずれも現役の職人が丁寧に指導します。(2つのコースの詳細はこちらからご確認ください。


絞り教室は、さまざまなデザインの絞り技法を習得していただけ、ご自身のペースで参加可能です。有松鳴海絞りには「縫う」「括る」「畳む」という3つの手法をもちいて100種類以上の技法が生み出されており、それら多様な技法を1つ1つ、習得していくための教室です。
教室の参加者は、各々のペースで各人が技術習得していきますので 周りにあわせることなく 安心してご参加いただけると思います。絞り教室へのお問合せもこちらから。


あわせて、近年、スズサンでは 産地や教育機関、地域と一緒になって取り組む活動も積極的におこなっています。
幼稚園や小学校への出張体験、6月に開催される絞りまつりを通じた学生との協業などをおこなっています。2018年より 村瀬弘行が 名古屋芸術大学にて非常勤講師を務めており、2020年には名古屋市中心部である久屋大通の屋外スペースに名古屋芸術大学の学生と連携してインスタレーションを制作しました。ものづくりという側面から地域との関わりができた事例です。


デュッセルドルフ在住の5代目村瀬弘行は、スイス、バーゼルにあるMuseum der Kulturen (文化博物館)やザンクト・ガレンにあるTextil Museum ( テキスタイル博物館)などでワークショップを開催しています。地域の方々を対象に、絞りの文化や技術を通じて伝える活動です。

また、株式会社スズサンでは2021年より、アメリカはカリフォルニア州在住の和田良子(Yoshiko I. Wada)氏が主宰するSlow Fiber StudiosとZoomオンラインワークショップをおこなっています。コロナ感染対策の事業として、オンラインでのワークショップで今回はじめて国内外の10名の参加者とバイリンガルで実施。
有松の工房からアメリカの各地の方々や日本の方たちとZoomで繋ぎ、有松絞りの「手蜘蛛絞り」の実習を行いました。3時間ワークショップの構成は、1)有松絞りの歴史、2)蜘蛛絞りの古い資料の紹介、3)手蜘蛛絞りの伝統的な絞りの技術指導を行うというもの。英語通訳のアシストもあり、内容としても厚く充実したワークショップで参加者も大変満足してくださったとフィードバックを頂戴しました。

株式会社スズサンでは、この他にも、商業施設内や屋外スペースでの実演販売や絞りワークショップの実施などをおこなっています。これからも、様々な形で、1名でも多くの方に知っていただく、やってみていただく機会を提供していきたいと考えています。ワークショップや出張教室、講演のご依頼などは こちらからお願い致します。